龍神様との恋愛事情!
「色々だよ。シナ様みたいに有名な神様は日本の色々な場所で祭られているからね。様々な神社を巡っているんだ」
出張先がいっぱいあるみたいな感じかな?
神様も大変なんだね。
「私の願い事は、時間がないんです」
私は千早様の黒い瞳を見上げた。
「シナ様はだいたいどれくらいで戻ってきますか?」
「うーん……実は、去年来られたばかりなんだよ。だから数年は来ないと思った方がいいかな」
数年!?
無理だ…。おじいちゃんが持たないよ。
「どうしたんだい?沙織…泣きそうな顔してる」
泣きたいよ。
私の願いは叶わないかもしれない。
「千早様……」
でも……でも、言っておきたい。
「何かな?」
私は消え入りそうな声ですがるように願いを言った。
「おばあちゃんの病気を、治して下さい」