モントリヒト城の吸血鬼~一夜話~
「…お姉さま、昨日、わたしに
小鳥を捕ってくれたとき、
樹によじ登った…。」

「どうしてあなたはそう、
妙齢の女性らしからぬことを
平然とやってのけるのです…。」

朔夜は心底呆れた顔で姫乃を見た。

「だって、枝に引っかかって、
痛そうな声で鳴いてるんだもの。」

妙齢の女性らしからぬ行動の原因が、
以外にも女性らしい
優しさにあふれた理由だったことに、
朔夜は少しだけ彼女を見直した。

無駄に女性らしからぬ行動力と
柔軟すぎる思考の持ち主だが、
性根は優しい娘なのだ。

今回の行動はおおめに見て、
彼女に助け船を出して
やろうかとそう思った矢先に。


「あそこで餓死したり、
他の鳥獣の餌にされちゃうのは
もったいないでしょ。
この鳥、けっこうおいしいのよ。」



姫乃の野性味溢れる発言に、朔夜は固まった。


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