モントリヒト城の吸血鬼~一夜話~
「へぇ、食用なの?」
「ええ。もう少し喰いでが
でるように太らせなきゃ
ならないけど。」
「…朔夜様、どうかしたの?」
「…いいえ。」
思い切り脱力した朔夜は、
机に突っ伏した。
性根云々のまえに、
非常に現実的な人間で
あることを忘れていた。
せっかくの助け船を自らの手で
あっさり沈めてしまったと
知らない姫乃は、話を戻して
凍夜を責める。
「そもそも、あなた、
わたしが樹にのぼるぐらいなら、
いつもは特に気に
しないじゃないの。」
「…いつも、そういう真似を
してることが問題だと、
いい加減気にしてほしい
ものですがね…。」
脱力したまま、それでも
懲りずに朔夜がツッコミを入れた。