love letter～章吾～

――言う相手が違うだろ！？

普通、俺に言う言葉だろうが。


……つぅか、『全然頭になかった』って……。

おまえは俺に喧嘩売ってんのかっ！？



「別にいらねぇし」



俺の分のジュースを買いに行こうとした尾関にむかって、吐き捨てるようにして言う。

言われてはじめて、尾関が俺の方をようやく見た。



「ごめん、笠原くん。コーヒー……だよね、ブラックの……」

「………」



飲み物をわざわざ指定してきた尾関に対して、妙な気持ちになる。

その気持ちが何なのか、よく分からなくて。


……まぁ、あれだけ俺のことストーカーしていたんだから知っていて当然か。

――マジで気持ち悪ぃな。



そう結論付けることにした。