love letter~章吾~
「……もう別れたんだし……」
二人の話を聞くつもりなんかなかったのに。
聞こえてきた聡の言葉に、俺はとっさに、廊下の出っ張った柱の影に身を潜めた。
「……だけど……」
「じゃあ俺と、このまま嘘の付き合いを続ける?」
―――……は!?
嘘の……付き合い?
思わず声を上げそうになって、俺は慌てて口を固く結んだ。
なんの話してんだ? こいつら……。
嘘の付き合いって……。