幸せをくれた君に
「分かりました」

俺は気を沈めるために一口氷水を飲んだ。


黒川専務の娘に気に入られないようにする、それが俺に課せられた使命だ。


高飛車なお嬢さまタイプなら、俺が頼りがいのない駄目男を演じればいいし、話せば事情を分かってくれる人ならば、ありのまま伝えてもいいかもしれない。


(なんとかなるだろう…)

俺はタカをくくっていた。

数分後には、予期せぬ事態に陥ることなんて想像すらできなかった。


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