幸せをくれた君に
そんな俺を見ても、不思議そうな顔こそしても、迷惑がらずに嬉しそうに微笑んでくれた彼女。


俺がきたことを喜んでくれた彼女に幸せを感じて、そのまま、彼女を愛してしまった俺。


本当に嫌になるぐらい本能だけで生きている。


君と会いたい。

君を抱きたい。

君を愛したい。


本当にそれだけ……。


なのに……。


「最近、仕事が忙しくて疲れているのかも……大丈夫だから、そんな心配そうな顔するなよ」


「……そう、ならいいけど。簡単な朝食になるけど、なんか作るね」


そう言いながら彼女はスルリと俺の腕から抜けていく。


不意に感じるえもしれぬ喪失感。
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