クリスマスの夜、星空の下で。
「わぁ…キレイ…!」

思わずそう言ってしまうほどキレイな星が沢山輝いていた。

「ここ、俺のお気に入りの場所。懐中電灯消すともっとキレイですよ?」

「ホントですか!?消してみてください!」

“もっとキレイな星”

を見たくて思わず消してと頼んでしまった。

_カチッ。

光がなくなったと共に…。

さっきまで見えなかった星まで見える様になった。

星ってこんなキレイだったんだ…

改めてそう思った。

「すごい…。」

そんな事をいいながら、感激していると、

__グゥゥゥゥ…

お腹の鳴る音がした。

……………。

冷めた目で男の子を見ると、

「あっ俺晩ごはん食ってなかったんだった。」

と、へへっと笑っていた。

あ、そういえば…。

バックの中をゴソゴソと探り、あるものを渡した。

「はいっあげる。もらってくれる人、居なくなっちゃったし。」

「…いいんですか?ありがとうございます~。ってこれクッキー?作ったんすか?」

受け取った男の子は渡したクッキーを見つめていた。

「まぁ…下手ですけど…」

彼氏…いや、モト彼?に作ったんだけど…結局あげれなかったんだよね…。

「っ!?うま!ホントありがとうございます!」

早速食べてる男の子を見て、微笑んだ。

「きれいな星を見せてくれた…お礼です。」

「お礼って…いや…はは、」

真っ暗で顔は見えないけど、多分笑ってると思う。

照れてんのかな。照れてるんだったら面白いのに。

「お礼より、クリスマスプレゼントの方がいいかな?」

「えぇ~!あははっ」

そんな風に二人で笑いあった。
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