プリーズ・イート・ミー
その途端、胸がキュウっと苦しくなる。

この先はきっと聞かない方がいい。
わかってるのに、なぜかあたしは動き出せなかった。


「というか、どちらかというと苦手なんだよね、ああいう子」

「なんでだよ?」

「なんか見た目も性格も、いかにも女の子って感じじゃん? 甘え上手っつうか。 ああいうの好きな男多いじゃん。多分、あの子、どうやったら自分が可愛がられるか……みたいなこと、わかってんだろうなって思う。とにかくオレは苦手だな。っていうか、ベタベタ甘えてこられるのとか嫌だし」


ああ……なんだ……そうか……。
そんな風に思われてたんだ。

我ながらバカだなって思う。
2ヶ月間、何を期待してたんだろう……。

初めて会った時から今日までずっと……本当にあたしだけが一方的に好きだったんだなぁ……。


「杏里―。ごめんごめん、トイレ混んでて」


背後からそんな声がして、あたしの体はビクッと震えた。

沙智の声に反応して、冨樫さんと山田さんもこちらを見たから。

どうしよう……立ち聞きしてたのがバレちゃった……。

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