プリーズ・イート・ミー
「もー。聞こえちゃいましたよー。すみませーん、立ち聞きなんかしちゃって」


えへへ……って、笑う。


「いつかちゃんと告白するつもりだったのにー。なんかあたし、タイミング悪すぎですね。まぁ……でも……うん、しょうがないですね。うんうん。そっかそっか」


なにがしょうがないのか。
うんうんとかそっかそっか……とか何納得しちゃってるのか。

もう、何言ってるのか、自分でもよくわかんなかった。
けど、もうこれでいっぱいいっぱいなの。

ダメだ。もう無理。
これ以上しゃべったら、絶対泣く。


「あのっ、あたし、先に車戻ってます。みんなはゆっくりしててくださいっ」


ペコっと頭を下げ、逃げるようにその場を去った。

走りながらこぼれてきた涙。誰にも気づかれないよう、自分の足元だけを見つめてひたすら車へと向かった。

バカみたい、バカみたい。
ひとりで浮かれて舞い上がって……。

いつか好きになってもらえるんじゃないかって、勝手に期待して。

なんだか恥ずかしくてしょうがない。


こんなあたし……冨樫さんへの恋心ごと消えてなくなっちゃえばいいのに。




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