プリーズ・イート・ミー

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しばらくの間、後部座席にひとりでいたけど、やがて沙智だけが戻ってきて、あたしの横に座った。

顔を見せないようにずっと窓の外を向いていたら、沙智が声をかけてきた。


「杏里、大丈夫? ごめんね、和也(かずや)があんなとこで話ふったから……」


きっと山田さんから事情を聞いたんだろう。間接的ではあったけど、あたしが振られてしまったことを。

沙智が謝るようなことじゃないのに。そもそも山田さんが悪いわけでもない。

あたしはパッと振り向き、沙智に笑顔を見せる。


「泣いてるとでも思ったー?」


わざとおどけて言う。


「杏里……」


むしろ沙智の方が泣いちゃいそうだ。

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