プリーズ・イート・ミー
途端に肌を刺すような冷たい空気に触れて、思わず身を縮こませた。


あたしに気づいた冨樫さんが振り返る。


「杏里ちゃん……」

「冷えますね。よかったらコーヒー飲みませんか?」


冨樫さんはあっけに取られたような顔してあたしを見てる。


鼻の頭が赤くなってる。
長い時間外にいたのかな? 一体何してたんだろう? ずっと、たばこ吸ってたのかな?

いつまでもマグカップを受け取らない彼に、あたしは冗談っぽく言う。


「毒入りじゃありませんよ」


冨樫さんは、フッと小さく笑ってからカップを手にとってくれた。

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