プリーズ・イート・ミー
冨樫さんと山田さんももう眠ったのか、そこには誰の姿もなかった。

だけど、すぐに気づく。

バルコニーに誰かがいる。
まさか、泥棒? そう思ってじっと目を凝らしてわかった。

あれは冨樫さんだ……。

たばこを吸ってるみたい。そのために外に出たのかな?

どうしよう。
声をかけるべきか、気づかれないならこのまま無視するべきか……。

あれ以来、あたしと冨樫さんは一言も言葉を交わしていない。

そのせいでずっと重たい空気が流れていて、間で右往左往している沙智と山田さんがすごく気を使っていてくれているのが痛いぐらいにわかるんだ。

せっかくのクリスマスムードも台無しだ。

このままじゃ、ダメだよね。
ちゃんと話さなきゃ……。

あたしはホットミルクをやめて、コーヒーをふたつ用意する。

それからコートを羽織って、マグカップを手に、バルコニーに出た。

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