光の思い出 - happiness&unhappiness -
「よく飽きないなー。ずっと光ってるだけなのに」
目を細めて眩い光を見つめていると、前にも聞いたセリフが耳を通り抜けた。それは幻聴などではなくて、隣に立つ孝太の唇が動く。
「見続けても飽きないなんて、お前あの頃と変わらないんだな」
ふっと呆れたように零す笑みに、嫌でも付き合っていた頃の面影を重ねてしまう。
こんなろくでなし男のことなんて、吹っ切ったはずなのに。
「……あんたも変わらないよ。次から次へと女変えて遊ぶところ」
「ははっ、それ言われるのはきついなー」
孝太とは別れても、離れたくても離れられなかった。だって付き合っていた時に出した志望大学の願書はまるっきり同じ。好きな人と同じ学校に行きたいからなんて理由で自分の未来は決めるものじゃないと、その時に初めて学んだ。
しかも2人して見事に合格。おまけに学部が一緒だから履修する科目も似てくるわけで、週に3日以上は絶対に顔を合わすのが現状だ。
おまけにあろうことか今年から始まったゼミまで一緒になってしまった。運が悪すぎる。
ここまで悪運が強いと、孝太の行動も自然と把握できるぐらいになってしまうわけで。孝太が飽きたらすぐに別の女の子に手を出すろくでなしっぷりを、散々目の当りにしてきた。
見れば見るほどあの日の孝太の悪びれない様子とかを思い出してしまうから、ほんと嫌になる。
出来ることならもう一度パンチをくらわせてやりたい。
あの日の私の憎しみではなく、今の私の憎しみの分。