迷惑なイケメンに好かれました。
「おい、こいつヤバくねーか…」
少し怯えたように言ったのは、矢野。
この変な男でも、気付いたか。
まあ赤髪の長身イケメンが突然威嚇してきたらビビるよね、誰でも。
あぁ、イケメンっていうのは私が思ってるってわけじゃなくて、世間的に、客観的にってことね。私は思ってないよ、別に。
……じゃあ、何で私は今、この腕から逃れようとしないんだろう。
どうして、この腕に包まれた瞬間、震えが止まったんだろう。
考えれば、答えにたどり着くのかもしれないけど、あえてやめておいた。
同じ過ちは、繰り返したくないから。
でも、今だけはこのまま、この腕の中にいたかった。