雪の足跡《Berry's cafe版》
翌朝、目が覚めて布団から出る。ひんやりした空気に震えてフリースを羽織る。カーテンを指で引っ掛けるようにして窓から外を見れば曇天。最近の天気予報は当たると感心した。予報は昼過ぎから雨。
「天気持つかな」
「これだけ寒いと……」
八木橋も目を覚まして布団の中で伸びをしていた。
「雨降っても蛙のゴスペルは期待できないな」
残念だなユキ、と八木橋は私をからかう。私は応戦するように八木橋の掛け布団を剥いでやった。
「寒いだろ」
「布団畳むから起きてよ」
「初日から鬼嫁かよ」
「ヤギがからかうからよっ」
「ったく……」
昨夜の布団の中のユキは可愛かったのにな、とブツブツ言いながら八木橋は起き上がる。
「また逆戻りして。昨夜みたいに岳志って呼べ」
「えっ、や……」
「岳志が嫌なら岳志さんでも岳志様でもいいぞ」
「メイドじゃあるまいしっ」
八木橋は渋々立ち上がり、私の前に立つ。
「な、何っ?」
「今日からよろしく」
そう言って私の額にキスをした。