たった一つの願いをこめて
ポニーはブルルッと体を揺さぶり、その場でくるりと回りました。
いつもならそのまま食べちゃうポニー。
そんな行動をとったのは初めての事です。

「ルルにくれるの?」

ポニーはルルをじっと見て、またにかっ と歯をむき出していました。

リンゴに似てて、赤くて、まあるくて、とっても甘くて、美味しくて、ポニーはルルにも食べて欲しかったのです。

ルルはアメ玉を口の中にいれました。
口の中に甘みがどんどん広がっていきます。

「ポニー・・・。とってもおいしいよぉ」

口の中に甘みが広がっていくと同時、ルルの中でも何かが込み上げていました。
アメ玉をほうばりながらも、そのつぶらな瞳から少しずつ涙がこぼれおちていきます。

「ひっく・・・ひっく」

ルルにとっては意味すら判らない涙。
止めたいのに、何故か涙を止めることができませんでした。
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