月の絆~最初で最後の運命のあなた~
立ち止まって周りを見てみると、いつの間にか無意識に駐車場に来ていた。
車に乗り込みエンジンをかけると、表示された時間にドキリとする。
午前九時四十五分。
早めに行って待つつもりだったのに、このままでは少し遅れるかもしれない。
狼呀は、一人きりの車内で悪態を吐いた。
自然とアクセルを踏む足に力が入り、運転も荒くなる。
信号に一つ引っ掛かるだけで、頭の中には待ちぼうけの末、帰っていくマリアの姿が浮かんでは消えた。
焦る気持ちとは違い、時間はゆっくりと過ぎ、店に着いた時には約束の時間ちょうどだった。