月の絆~最初で最後の運命のあなた~


 立ち止まって周りを見てみると、いつの間にか無意識に駐車場に来ていた。


 車に乗り込みエンジンをかけると、表示された時間にドキリとする。


 午前九時四十五分。


 早めに行って待つつもりだったのに、このままでは少し遅れるかもしれない。


 狼呀は、一人きりの車内で悪態を吐いた。


 自然とアクセルを踏む足に力が入り、運転も荒くなる。


 信号に一つ引っ掛かるだけで、頭の中には待ちぼうけの末、帰っていくマリアの姿が浮かんでは消えた。 


 焦る気持ちとは違い、時間はゆっくりと過ぎ、店に着いた時には約束の時間ちょうどだった。





< 154 / 356 >

この作品をシェア

pagetop