月の絆~最初で最後の運命のあなた~




 耳元に彼の息がかかり、あたしは体を強張らせる。


 暫くして、狼呀は口を開いた。


「俺は……人狼だ」


 頭の中が真っ白になった。


 人狼。


 その言葉をうまく理解出来ない。


 吸血鬼の天敵……宿敵としてよく映画や小説に出てくるから知っているけど、現実的じゃない。


 だって、満月の夜に変身するなんて……。


 黙っているあたしの心を見透かしたように、狼呀は呟いた。


「吸血鬼は信じられるのに、人狼は信じられないのか?」




< 190 / 356 >

この作品をシェア

pagetop