月の絆~最初で最後の運命のあなた~
本能的に車を停めて建物を見上げると、思っていたとおりの場所で落胆した。
しかし、レンのマンションだが、絆の道筋は二階にある血液銀行へと続いている。
レンの部屋じゃないことをほっとすべきなのか、またレンに血を与えているということを怒ればいいのか分からない。
でも、気持ちだけで考えるなら前者だ。
そこで少し頭が冷え、車から降りると二階へと続く非常階段を探した。
目的のモノは、マンションの裏ですぐに見つかった。
いったい、どうすればいいんだろうか。
焦る気持ちを抑えながら、高い音の鳴る階段を上っていると、携帯電話の振動が伝わってきた。