* 竜の眠る国 *




「ねえ………

 そんな無理しなくてもいいのよ…?」



 そんな、不安顔のマーサを横目に食事をとる私。

 テーブルには、色とりどりの野菜が入ったスープと果物。それと、鳥の丸焼きにミートパイ。
 魚を丸ごと使った料理に焼きたてパンの匂いが、部屋中に溢れていた。

 ついでに銀のトレーの上には、様々なデザートが列んでいる。




「んーん、むごむごんごんごむ!」
(いいえ、まだまだ足りないわ!)



 この4日間ろくに食べていないせいか、体に力が入らない。

 ベッドからこのテーブルまでの十数メートル、時々立ち眩みながらやっとたどり着いたのだ。



 こんなか弱い私なんて私じゃない…!


 あまりの私の食べっぷりに、マーサとナタル以外部屋から出て行ってしまった。

 まるで化け物でも見たような顔で……




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