* 竜の眠る国 *







 ずっと眠ってたから全然眠くない……。


 部屋は無駄な明かりが消され、月明かりでかろうじて見える程度。

 私はゆっくりベッドから抜け出ると、窓へと近付いた。





 ナタルが湯浴みの世話を焼きながら、色々教えてくれた。


 傷は聖竜が塞いでくれたけど、毒を抜くのが大変だったらしい。

 王様お抱えの医師が、聖竜から貰った鱗を煎じて飲ませたけど、なかなか毒が抜けなくて、マーサが寝ずに看病してくれたらしい。


 だから、私が気づいたのをあんなに喜んでくれたんだ。









 窓ガラスに触れると、その冷たさに一瞬身震いした。

 月に照らされた庭が幻想的で……。


 途端に外に出たくなった。



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