* 竜の眠る国 *




 シオンはどこらへんかな……


 ソファーに置いてあったガウンを肩に掛け、月明かりで明るい外をもう一度覗く。



 ……月がキレイ。


 あれは私の世界と変わらないのね。



 二つ浮かぶ月。

 この世界の不思議の一つは、月が二つあること。


 一つはすでに真上にあり、もう一つは少し下にあった。



 本当に不思議な世界………




 この期に及んで、まだ夢を見ているんじゃないかと思えてしまうほどに……この世界は変わったモノで溢れてる。


 ただ、人や生活はそれほど変わりないから勘違いしてしまうけど……

 ここは紛れもなく“異世界”なんだと、気付かされる。




 そんなキレイなクリーム色の月に誘われて、ゆっくり窓の鍵を開けた。



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