奇跡が降る夜
大通りを走る車の中から、街中を見渡すと幸せそうに腕を組んで歩くカップルばかり。


やっぱりいいなぁ、クリスマスにデート……


この仕事をしている限り、こんなキラキラしている中を歩くことはないんだろうな。


「羨ましいんだろ?」


外をじっと見ていたせいか、里見さんがハンドルを握りながら横目で私を見てくる。


ぶっきらぼうだけど、嫌味な様子ではないから、


「そりゃ、まぁ…… 羨ましいです」


正直に答えてしまう。


だって、こんな煌びやかな中、隆司、一人でどうしてるんだろうってやっぱり思っちゃうし。


「はぁーー」


大きな溜息を吐いて、窓を少し開けた。

< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop