もうひとつの偽聖夜
そんなことで、俺のサンタ伝説は終了。
だけど、俺はずっと、「サンタがいる」と信じているフリをしていた。
それは、オヤジやおふくろが、あまりにも嬉しそうに毎年なんやかんやと策略してくれていたから。シュウのオヤジが見た、俺んちの屋根にいたサンタは、もちろん、その頃生きていた、俺のオヤジの仕業。
だから、
「サンタなんかいない」
俺はそう言うことができなくて。
オヤジとおふくろの喜ぶ顔が見たくて、そう言えやしなかったから。
――俺も、シュウとそう変わらなかったんだな。
偽りのクリスマスを送ることが、俺らガキの、生まれて初めての親孝行だったんだ。
だから……。