もうひとつの偽聖夜
俺は、慌ててホールに散らばったコバンザメたちを呼び戻した。
「おめえたち!戻ってくるんだ!」
するとソイツらは嬉しそうなバカ面で駆け寄ってくる。
「どうしたんだよ?ニセサンタ!!」
「どうもこうもねえ!緊急事態だ!いいか!お前らにミッションを与える!」
「ミッション?ソレってなんだよ、ニセサンタ!」
「いいか、あの団体から俺をかくまうんだ!あの団体が俺のところに来そうになったら、あっちに立ってるサンタ2号のところへ案内するんだ!いいか!わかったな!」
「………ん?サンタ2号?ならお前は何号なんだよ?」
「俺が1号に決まってるじゃねえか」
「どっちが偉いんだよ?」
「バカヤロッなんでも1号が偉いに決まってるだろ?つうか、そんなことより、さあミッションの決行だ!わかったな!特に、あのちっこい、青の帽子をかぶったガキには気をつけろっ」
「わかった!任せろっ!」
――ヤレヤレ……。
やっぱ、こんな時は馬鹿どもは役に立つ。
このコバンザメ軍団は、きっちり俺をガードし、解散して散らばったゆめさきドリームの面々を、見事に、サンタ2号のところに追いやることに成功した。