やさしい記憶

 目をまん丸にした朱鳥くんが

 テーブルに置いたプレゼントを

 じぃっ、と

 見つめていた。





「ナニなに、見た〜い♪」



「あっ! えっと、……うん」





 あわてて

 朱鳥くんが袋を開ける。





「……」





 ちょっとだけ

 胸がドキドキする。



 気に入ってもらえるかな?



 ダークシルバーに似合う

 ブルー系のビーズのストラップ



 先には

 シルバーのロボットがついている。





「カワイイ〜ッ!! 朱鳥くんの携帯に合ってるじゃん!!」





 朱鳥くんの手にあるストラップを

 美里が覗き込んで言った。





「うん、どんなのが好きかわからなくて、オソロイにしちゃった」





 反応が知りたくて

 彼を見ると……







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