婚カチュ。


「それにしても智也くんたら、いつのまにそんなに紫衣ちゃんのこと好きになっちゃってたの」

「……うるさいな」


「ちょっと待ってください!」
 

わたしはたまらず叫んだ。
椅子に座って足を組んでいる広瀬さんと、ドア脇に立っている桜田さんを交互に見やる。


「どういうことですか?」


急展開にわたしだけ付いていけていない。


「説明してください」
 

はっきり求めると、彼らはまったく正反対の反応を示した。
 
桜田さんが眉を持ち上げとぼけた表情を見せる一方で、広瀬さんは表情を引き締め、真剣なまなざしでわたしを見つめる。


「白状します」
 

低くつぶやくと、彼は思いも寄らないことを口にした。


< 241 / 260 >

この作品をシェア

pagetop