婚カチュ。
「それにしても智也くんたら、いつのまにそんなに紫衣ちゃんのこと好きになっちゃってたの」
「……うるさいな」
「ちょっと待ってください!」
わたしはたまらず叫んだ。
椅子に座って足を組んでいる広瀬さんと、ドア脇に立っている桜田さんを交互に見やる。
「どういうことですか?」
急展開にわたしだけ付いていけていない。
「説明してください」
はっきり求めると、彼らはまったく正反対の反応を示した。
桜田さんが眉を持ち上げとぼけた表情を見せる一方で、広瀬さんは表情を引き締め、真剣なまなざしでわたしを見つめる。
「白状します」
低くつぶやくと、彼は思いも寄らないことを口にした。