婚カチュ。
2 ◇ ◇ ◇
風のない日だった。
日当たりのいいカフェのテラス席で向き合いながら、希和子がストロベリーラテに口をつける。
「――つまり、桜田さんによる壮大なマッチング計画だったってことかぁ」
「……うん。心まで操作されてるなんて、思ってもみなかったけど……」
わたしがため息をつくと、希和子は楽しそうに笑った。
「やっぱり桜田さんてすごいなぁ。心理学専攻はやることがちがうねぇ」
「笑いごとじゃないんだけどね」
わたしの疲れたようなつぶやきに、希和子はまた笑った。
その薬指にはまったリングが太陽光を反射してきらきらと輝く。
「ね、希和子はどこまで知ってたの?」
唇をすぼめ、彼女は上目遣いでわたしを見る。