婚カチュ。
「桜田さん、今度はわたしの後輩の結婚相手を見つけるんだって、すごく張り切ってるよ」
「仕事熱心だねぇ」
希和子がテーブルに頬杖をつき、青空に向かって「平和だなぁ」とでも言うようにつぶやく。
それから思い出したようにわたしを見た。
「あ、そういえばシイちゃんと付き合ってた弁護士先生は? あたしはてっきりそっちを選ぶかと思ってた」
「さすがに弁護士だけあって、引く手あまたみたいよ」
わたしが言うと、希和子は意表を衝かれたように固まり、また頬杖をついた。
「まぁ、当然だよねぇ」
戸田さんなら、わたしよりもっと素敵なひとが見つかる。
なにせ彼は選べる側の人間なのだから。
おしゃべりを続けていると、目の前の通り沿いに1台の車が停まった。
ウィンドウが下がり、彼が手を振る。