婚カチュ。


「ない、です」
 

顔が熱かった。胸の高鳴りはもう痛いくらいだ。
 
満足そうにうなずく彼が、思い出したように「あ、でも」と言う。

するり、と腰に手が回されたかと思ったら、そのままソファに倒された。
目を丸めているわたしに覆いかぶさり、広瀬さんはいたずらっぽくささやいた。



「身体(こっち)の相性は、条件に入れなくていいんですか?」
 


全身から火が出るかと思った。
 
彼は楽しそうに笑いながらわたしに唇を落とした。


キスが徐々に深くなっていき、わたしはためらいながら彼の首に腕を回した。
鼓動が激しくなり、頬が火照る。
 

広瀬さんの後頭部に指を差し込むと、彼は唇を離した。
 
切れ長の目でじっとわたしを見下ろす。


「そうだった」


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