婚カチュ。
「彼女の本業は経営コンサルだから。知人からつぶれかけの結婚相談所の話をもらって腕が鳴ったみたいだよ。実際、傾いていた経営はあっというまに持ち直したし。これからもうすこし大きくして、将来的には俺か、あなたに、と考えているそうです」
想像すらしていなかった話に唖然としてしまう。
桜田さんの不敵な微笑が頭をよぎった。
「わたしが広瀬さんと結婚するって、信じて疑わない感じなんだ……」
つぶやいた声に、彼が反応する。
「あれ、紫衣さん、俺と結婚しない気?」
「え……」
だって広瀬さんはまだ25だし、と言おうとしたわたしを遮って、
「俺があなたの条件で満たしていないところは、身長と年齢、かな」
そう言って肩をすくめてみせる。
「問題ありますか」
勝ち誇ったような微笑に、わたしはちいさくなった。