婚カチュ。
希和子がテーブルから身を乗り出し、内緒話をするように声をひそめた。
「だからぁ、コンカチュ」
語尾にハートマークでもつけるように、唇をすぼめて可愛らしく言う。
わたしはため息をついた。
「まさしく、コンカチュって感じだわ」
「ん? どういうこと」
きょとんとする彼女にゆっくり首を振る。
「なんか結婚のための活動っていうのがよくわかんなくなったっていうか。すごく中途半端な状態で。婚カツ、じゃなくて婚カチュ。わたしの場合」
「なんでぇ? やる気なくなっちゃったの?」
大きな目を丸め、希和子が箸を握りしめた。細い薬指でプラチナのエタニティリングがさりげなく光っている。
わたしは苦笑した。