婚カチュ。
「そういう希和子は恋愛結婚じゃない」
「だってそれは、学生のときからの付き合いだから」
可愛らしい友人は、分からず屋のわたしを諭すようにはきはきと続ける。
「もうね、いまのあたしたちの年になると恋愛してる余裕なんてないんだって。特にシイちゃんは子どもがほしいんでしょ? そういうはっきりとした目的があるなら、やっぱり恋愛感情は切り捨ててでも結婚相手としてふさわしい人を選ぶべきじゃない?」
黙りこむわたしに、希和子はやさしく言う。
「ときめきのない場所からも、一緒に暮らしていけば愛情って生まれるものだし。昔の夫婦とか、お見合い結婚なんてそういうもんでしょ」
希和子の言わんとするところは分かる。
好きという感情がない相手でも、嫌いでさえなければ次第に情が湧くものだし、子どもが生まれれば、きっとそれだけで幸せを感じられる。
「でも……やっぱりわたし、結婚は好きな人としたいんだよなぁ」
ひとりごとのようにつぶやくと、彼女はあきれたようにため息をついた。