婚カチュ。


「それにしても二ノ宮さん、全然男性と話をしていなかったみたいじゃないですか。せっかくのお見合い合コンなのに、なにしてるんです」
 

鬼の片鱗を漂わせ、アドバイザーは厳しい表情でわたしを見る。


「せっかく二ノ宮さんの条件に近い男性が参加していたのに。そういう方はほかの女性からも人気が高いんですよ。自分からアピールしなくてどうするんですか」
 

ずばずばとわたしをこき下ろしたかと思うと、


「と、いいたいところなんですが」
 

彼は咳払いをひとつして、わたしをまっすぐ見つめた。


「今回は怪我の功名みたいです」

「怪我の功名?」

「超優良物件の会員男性から、二ノ宮さんにお見合いのご希望が届いています」
 

ぽかんとしているわたしに、広瀬さんはパソコンの画面を見せた。


「このあいだのお見合い合コンで顔を合わせたでしょう。弁護士のこの方、戸田さんです」
 

モニターに映し出された会員プロフィールには、このあいだのお見合い合コンで両脇に女性をはべらせていた男性が映っていた。

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