婚カチュ。


「……は? なぜこの方が?」
 

意味がわからず呆けていると、アドバイザーはじれったそうにテーブルを指で叩く。


「このあいだ二ノ宮さんとだけ話ができなかったから、一度ふたりでゆっくりお話をされたいそうです」

「え、でも彼はほかの女性とお付き合いするんじゃないんですか?」
 

たとえば彼の両脇をがっちりと固めていた右の女か、あるいは左の女と。


談笑する3人を思い出していると、広瀬さんはかぶりを振った。


「ほかの女性は彼の意には適わなかったようです」

「え、でも、なんでわたしが」


わたしは希和子と違って男性に無条件で気に入られるほど突出して魅力のある容姿をしているわけではない。

希和子は同期の贔屓目でわたしのことを良く言ってくれるけれど、一般的に働く女性の平均だと思っている。

いまの世の中、化粧で武装した女性たちの華やかさには目を瞠るものがあるし、最低限の化粧しかしないうえに愛想笑いができないぶん、わたしは男性からは近寄りがたいと思われているに違いなかった。

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