婚カチュ。
「外見の好みはどうだかわかりませんが、ひとまず、二ノ宮さんの積極的ではないところ、に惹かれたようです」
「え……?」
「詳しくは直接会ってご本人から聞かれるといいと思いますよ」
そう言うと、広瀬さんはお見合いの具体的な日取りに話を移した。
「ま、待ってください。その方、わたしの希望通りというわけではないんですよね」
「二ノ宮さんの条件どおりの男性なんて、はっきり言ってこの世にいませんよ。いたとしても、既婚者か相談所への登録を必要としないか、あるいは結婚相手を求めていないでしょう」
断言され、ぐうの音も出ない。
この相談所に登録したばかりのころだったなら、あの雰囲気の良さそうな男性とお見合いできるなんて喜ばしいことだったに違いない。
普通にOLをやっていて、弁護士と知り合いになれる機会なんてめったにないのだから。
それなのに、わたしの気持ちはまったく動かなかった。