婚カチュ。
「あの、わたし」
「ひとまず細かいことにはこだわらず、会うだけ会ってみたらいかがです。結婚相手を探しているんだからもちろん条件も大切ですけど、その人の価値は、あなたの条件だけで括られるものではないですよ」
「でも」
「二ノ宮さんは好きな人と結婚したいんですよね?」
ふいに切れ長の瞳に見つめられ、息が詰まった。
神妙にうなずくと、彼はやさしく微笑む。
「だったらまずは中身を見ましょうよ。条件で切り捨てるのではなく、お相手を知ろうと努力してください」
彼の言葉に重なるように、希和子の声が頭に響いた。
――その人のこと、ちゃんと知ることが大事だよ
「あの、広瀬さんておいくつなんですか」
わたしの突然の質問に、彼はかすかに眉をひそめる。