婚カチュ。


「そもそも、広瀬さんはどうしてこの仕事をしようと思ったんですか?」



結婚相談所で働いているアドバイザーは女性や年配のひとが多いはずだ。

他人の結婚にアドバイスをするなら相手の話を聞いて共感する能力に長けている女性だったり、人生の経験値が高い年配の方のほうが務まりやすいからだ。

そういう意味でも男性のアドバイザーは全国的に少ないはずだった。


「いや、僕は……その、社長に頼まれたってのもありますけど」

「頼まれた?」
 

広瀬さんの年収っていくらくらいなんだろう、と心の片隅で勝手に計算機が数値をはじこうとしている。
年下ということも考えると、給料はわたしよりも低いかもしれない。


「あの、ここの仕事って」
 

突っ込んで尋ねようとした瞬間、広瀬さんが小さく吐息を漏らした。


「この辺にしておきましょうか」

「ええ?」
 

まだまだ聞きたいことがあるのに。

不満の声を上げると、彼は人差し指を突き出した。


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