銀髪姫と不良幹部
「だから、依亜には戻ってきた時の自由をまた与える」


自由。


それは私が望んだ事だ。


みんなと…史音と狼鬼のみんなといたくて望んだ。


留学を終わらせば、私はまた自由になれる。


狼鬼とまた…一緒にいられるんだ。


留学は1年かもしれないし、それ以上かもしれねぇ。


だけど、私は頑張ってみようと思う。


みんなと一緒にいられるというのを目標にして。


「お父さん、私行きます」


「依亜、いいのか?」


返事したのはお父さんではなく、空にぃだった。


じっと空にぃの目を見つめる。


空にぃの言いたい事はわかってるぜ?


…私と、あいつらの事を心配してくれてんだろ?


< 376 / 429 >

この作品をシェア

pagetop