銀髪姫と不良幹部
「依亜、別にお別れじゃない」


あ、シリアル戻っちまうの?


笑顔でお別れは?


まぁ、いいけどさ。


私のために言ってくれてるんだもんな。


「…うん」


史音の言葉に、素直に頷く。


そんなことわかってるよ、最後ってわけじゃねぇってこと。


わかってるけどさ…。


「また会える。だから泣くな」


「し…史音の…言葉に…泣くわよっ…」


あー止まんない。


どうしよう。


泣いているのとは裏腹に、頭は冷静だった。


ヤバイな。


せっかくのメイクが台無しだ。


メイクしてくれた人に謝らねぇと。


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