もう一度、あの夏にもどれるなら。
旅行日記・初日夜~2日目夜
・・・莉子side・・・
この小さな洋館は私達11人がフルで働いても結局夜までかかってしまうほど広かった。
小さいが趣味のいい部屋が人数分あり、それぞれ荷物を運んだら男子はお風呂の準備と掃除用具の後片付け、女子は夕御飯の準備となった。
部屋に荷物を置きにいって気付いたのだが、どうも雲行きが怪しい。これはもうすぐ雨が降り始めるかもなぁ…少し憂鬱な気分になる。
私の部屋だけでなく皆の部屋は二階にある。私の部屋からは残念ながら湖や川は見えないけどすぐ目の前に大きな樹があり、それがとても気にいった。
階下からはすでに準備を始めてるようだ。急いで行かなくちゃ…!
鍵は…別にかけなくてもいいかな、誰もはいらないだろうし…
取り合えず急いで階段を下りる。キッチンへ行ったらもう皆準備をしていて花音や瑠璃から口々に「遅い!」と言われてしまった。
ゴメンゴメン、と謝りながら今日の夕飯を訪ねる。今日のご飯は焼き魚みたいだ。政宗や蓮は好きだから喜ぶだろうけど……逆に日向は嫌がるかな、あの子魚嫌いだし。
そんな事を考えながらサラダを作る。料理の苦手な私と茜はサラダ作りを任された。早苗いわく「焦がされたらメインのおかずがなくなっちゃうでしょ?」とのことだ。
「さーちんのバカ…そんなにあたしの手料理が危ないとでも言うのか―」
不満げに唇をとがらせながらサラダを作る茜。仕方ないよ、だって茜ホントに魚焦がして炭にしかけたじゃん…
「あ…アレは違うし!その…ちょっとコンロの調子が悪かったって言うか…」
ゴニョゴニョといい訳する茜。その様子を微笑ましいなぁと思いながら眺めてた。
「ほらほら~、もうすぐ男子達色んな片づけ終わって戻って来るよ?急がないと急がないと」
花音が急かす。スープ作り終わったから暇なんだろう。綾那も暇そうにしているし、急がなきゃ。
「ハイハーイ、男子達は片づけお疲れ様でした~!ご飯できたよー」
ワァッと男子の間から小さく歓声が上がる。ゴメンよ日向、今日は日向の嫌いな物なんだ……
政宗と蓮はやっぱり好きなんだろう。きらきらした目で見つめてる。日向も…まぁ、予想通りの反応だ。
ぶっちゃけ私もあまり魚は好きでない。どうしよう、残そうかな……
「残した人、明日この家で留守番ね。まだやって欲しい仕事はあるし…それが嫌ならきちんと食べてちょうだい。」
ま・じ・で。ダメだ、コレは残せない…留守番は嫌だ…でも魚も嫌だ……
うんうん唸っているとそれに気付いた…のかどうか分からないが、政宗が
「…如月、食べないのか?」
と、箸を私の皿の方へ伸ばしてきた。あ、うん…嫌いだし…政宗食べる?
「いいのか…?ありがとな」
そう言って嬉しそうに自分の皿に私の皿から魚をとっていく。これで明日はお留守番しなくてよさそうだ……よかった、と思わず笑みがこぼれる
――――その瞬間、不意にゾクリとした。寒気がする。何……?
「どしたの?莉子…顔色悪いよ?寒い?」
横から花音が心配そうにのぞきこんでくる。雨が降ってるから寒くなったのかな…?
ううん、なんでもないよ。ちょっと寒かっただけ。
…なんでいきなり寒気がしたのかは気にしない事にした。
早く食べてしまおう、せっかく美味しそうなのに冷めちゃうや…
後でお風呂に入ってゆっくり温まろう。意識を夕食へ戻した。
この小さな洋館は私達11人がフルで働いても結局夜までかかってしまうほど広かった。
小さいが趣味のいい部屋が人数分あり、それぞれ荷物を運んだら男子はお風呂の準備と掃除用具の後片付け、女子は夕御飯の準備となった。
部屋に荷物を置きにいって気付いたのだが、どうも雲行きが怪しい。これはもうすぐ雨が降り始めるかもなぁ…少し憂鬱な気分になる。
私の部屋だけでなく皆の部屋は二階にある。私の部屋からは残念ながら湖や川は見えないけどすぐ目の前に大きな樹があり、それがとても気にいった。
階下からはすでに準備を始めてるようだ。急いで行かなくちゃ…!
鍵は…別にかけなくてもいいかな、誰もはいらないだろうし…
取り合えず急いで階段を下りる。キッチンへ行ったらもう皆準備をしていて花音や瑠璃から口々に「遅い!」と言われてしまった。
ゴメンゴメン、と謝りながら今日の夕飯を訪ねる。今日のご飯は焼き魚みたいだ。政宗や蓮は好きだから喜ぶだろうけど……逆に日向は嫌がるかな、あの子魚嫌いだし。
そんな事を考えながらサラダを作る。料理の苦手な私と茜はサラダ作りを任された。早苗いわく「焦がされたらメインのおかずがなくなっちゃうでしょ?」とのことだ。
「さーちんのバカ…そんなにあたしの手料理が危ないとでも言うのか―」
不満げに唇をとがらせながらサラダを作る茜。仕方ないよ、だって茜ホントに魚焦がして炭にしかけたじゃん…
「あ…アレは違うし!その…ちょっとコンロの調子が悪かったって言うか…」
ゴニョゴニョといい訳する茜。その様子を微笑ましいなぁと思いながら眺めてた。
「ほらほら~、もうすぐ男子達色んな片づけ終わって戻って来るよ?急がないと急がないと」
花音が急かす。スープ作り終わったから暇なんだろう。綾那も暇そうにしているし、急がなきゃ。
「ハイハーイ、男子達は片づけお疲れ様でした~!ご飯できたよー」
ワァッと男子の間から小さく歓声が上がる。ゴメンよ日向、今日は日向の嫌いな物なんだ……
政宗と蓮はやっぱり好きなんだろう。きらきらした目で見つめてる。日向も…まぁ、予想通りの反応だ。
ぶっちゃけ私もあまり魚は好きでない。どうしよう、残そうかな……
「残した人、明日この家で留守番ね。まだやって欲しい仕事はあるし…それが嫌ならきちんと食べてちょうだい。」
ま・じ・で。ダメだ、コレは残せない…留守番は嫌だ…でも魚も嫌だ……
うんうん唸っているとそれに気付いた…のかどうか分からないが、政宗が
「…如月、食べないのか?」
と、箸を私の皿の方へ伸ばしてきた。あ、うん…嫌いだし…政宗食べる?
「いいのか…?ありがとな」
そう言って嬉しそうに自分の皿に私の皿から魚をとっていく。これで明日はお留守番しなくてよさそうだ……よかった、と思わず笑みがこぼれる
――――その瞬間、不意にゾクリとした。寒気がする。何……?
「どしたの?莉子…顔色悪いよ?寒い?」
横から花音が心配そうにのぞきこんでくる。雨が降ってるから寒くなったのかな…?
ううん、なんでもないよ。ちょっと寒かっただけ。
…なんでいきなり寒気がしたのかは気にしない事にした。
早く食べてしまおう、せっかく美味しそうなのに冷めちゃうや…
後でお風呂に入ってゆっくり温まろう。意識を夕食へ戻した。