溺愛†マドンナ
まさか抱きしめられ、まさか離すのを拒否られるとは思っていなかった世那は、真っ赤な顔のままオレを見上げた。


空気を含ませたフンワリボブに、大きな瞳。


ずっとずっと世那を見てきたのも、守ってきたのもオレだった。


女友達ならともかく男で1番世那と仲が良く、1番世那を理解しているのは自惚れ抜きでオレのハズ。


なのになんでだ?


どうしてお前は、オレに見せた事の無い様な表情を、アイツ関連の事で見せてるんだ?


「世那、言ったよな?オレと一緒にいろって」


世那の誕生日に今と同じく抱きしめながら言ったセリフを、再び囁く。
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