溺愛†マドンナ
怖い。


頭を上げた時、秀悟がどんな顔をしているのか、見るのが怖い。


足の震えが更にヒドくなって来たけれど、流れる沈黙に耐えられなくって、頭を下げっぱなしの私。


「世那……いつまで頭下げてんだよ。顔上げろ」


頭の上から降ってきた声は、いつもの秀悟の優しい声だった。


私は恐る恐る、顔を上げる。


そして………心にナイフを突き立てられた様な気持ちになった。


「そっか………つき合えねぇか………」


そう言いながら微笑む秀悟の笑顔が、あまりにも切なそうで、悲しそうで――――…


「秀悟……ごめ…ん………」
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