神様と出会いました。
あれ、この神社って…
「こんなに階段あったっけ?」
運動不足のせいか、込み上げてくる酸素不足。
家からそう遠くない神社の石段にたどり着いたとき首を傾げた。
子供の頃の話だ。
もしかしたらあの頃は底なしの体力を持っていたのかもしれない。
しかし、ここまで来て帰るのも癪なので上ることを決意したのだ。
あと、少し。
目の前まで頂上は見えているんだ、頑張れ自分。
気分はまるで登山家。
いや、ただの運動不足な一般女子高生なんですけども。
傘を持ち直し、再び上り進める。
ガサガサと背中で揺れるリュックと踏みしめる足音が交差する。
あと少し、あと少し…。
「つ、か、れ、たー…」
なんとか上りきり、膝に手を付きながら後ろを振り返る。
あれ…、なんというか…
「わりと低くね?」
そこまで無かった高さに呆然としつつ、今度は正面に向き直る。
そこは…
「古くね?」
古びた神社であった。
いや、当たり前か。神社に来たんだもん。
最後に来たの六年ぐらい前だし、古くなってて当然か。
古い。でも、嫌な古さでは無かった。
「へぇ…」
鳥居をくぐり、まず目に入ったのが手水舎だった。
近寄っていけば、にごり一つない綺麗な水が流れている。
柄杓も木製だけどカビ一つ生えていない。
ここ、誰かがちゃんと管理してるんだな…。
人気の少ないこの神社に参拝客がくるとも思えないが。
神社の中はいたってシンプルで、あとはお社と大きな銀杏の木があるくらいだった。
お社もそこまでの大きさはない。
あ、でも銀杏の木。これは相当大きいな…。
幹のあたりが両手では抱えられないほど大きそうなその木に私は歩み寄った。
「でかいなー」
これ、小学生の頃もあったかな?
なんとか記憶を探るがぼやーっとしていてよく思い出せない。
うーん…と唸っていた、その時だった。
「君、誰?」
突然掛けられた声。
ビクッと肩を上下させ、体を硬直させる。
人の気配なんて全く感じなかった。
ここへ来たときは一人だったし、中をきょろきょろしていたさっきだって人なんかいなかった。
一体、いつ現れたのか…。
恐る恐る振り返る。
そこにいたのは…
綺麗な銀髪をした青年だった。
「え、あ、えっと…」
ここの管理者だろうか?
それにしては若すぎる気がする。
自分より少し上に見える相手に少し安心するも、どうもコミュニケーションを苦手とする私はとっさに言葉が出ない。
その人は珍しい傘をさしていた。
八本骨の傘は珍しくないが、なんだか違う。
持ち手竹だし。
「こんなに階段あったっけ?」
運動不足のせいか、込み上げてくる酸素不足。
家からそう遠くない神社の石段にたどり着いたとき首を傾げた。
子供の頃の話だ。
もしかしたらあの頃は底なしの体力を持っていたのかもしれない。
しかし、ここまで来て帰るのも癪なので上ることを決意したのだ。
あと、少し。
目の前まで頂上は見えているんだ、頑張れ自分。
気分はまるで登山家。
いや、ただの運動不足な一般女子高生なんですけども。
傘を持ち直し、再び上り進める。
ガサガサと背中で揺れるリュックと踏みしめる足音が交差する。
あと少し、あと少し…。
「つ、か、れ、たー…」
なんとか上りきり、膝に手を付きながら後ろを振り返る。
あれ…、なんというか…
「わりと低くね?」
そこまで無かった高さに呆然としつつ、今度は正面に向き直る。
そこは…
「古くね?」
古びた神社であった。
いや、当たり前か。神社に来たんだもん。
最後に来たの六年ぐらい前だし、古くなってて当然か。
古い。でも、嫌な古さでは無かった。
「へぇ…」
鳥居をくぐり、まず目に入ったのが手水舎だった。
近寄っていけば、にごり一つない綺麗な水が流れている。
柄杓も木製だけどカビ一つ生えていない。
ここ、誰かがちゃんと管理してるんだな…。
人気の少ないこの神社に参拝客がくるとも思えないが。
神社の中はいたってシンプルで、あとはお社と大きな銀杏の木があるくらいだった。
お社もそこまでの大きさはない。
あ、でも銀杏の木。これは相当大きいな…。
幹のあたりが両手では抱えられないほど大きそうなその木に私は歩み寄った。
「でかいなー」
これ、小学生の頃もあったかな?
なんとか記憶を探るがぼやーっとしていてよく思い出せない。
うーん…と唸っていた、その時だった。
「君、誰?」
突然掛けられた声。
ビクッと肩を上下させ、体を硬直させる。
人の気配なんて全く感じなかった。
ここへ来たときは一人だったし、中をきょろきょろしていたさっきだって人なんかいなかった。
一体、いつ現れたのか…。
恐る恐る振り返る。
そこにいたのは…
綺麗な銀髪をした青年だった。
「え、あ、えっと…」
ここの管理者だろうか?
それにしては若すぎる気がする。
自分より少し上に見える相手に少し安心するも、どうもコミュニケーションを苦手とする私はとっさに言葉が出ない。
その人は珍しい傘をさしていた。
八本骨の傘は珍しくないが、なんだか違う。
持ち手竹だし。