神様と出会いました。
「人間、か。久しぶりだな」

人間…?
いや、あなたも人間じゃないか。
だけどなんだか違う気さえした。
痛みっけのない銀髪、藍色の着物。
色白の肌に異質な雰囲気。
いや、見た目人だし。
人だけど…人じゃないように思える。

「御琴様!」

「ひぃ!」

次から次へとなんなんだ!?
お社の後ろからわたわたと出てきた小さな…子供?
ひょっとこのお面をした小さな子供が青年に駆け寄る。

「これはこれは、人間の娘」

さっきから人を人間、人間って…。
なんなの?一体。

「あの、さっきから人間って言ってますけど…あなたたちは?」

疑問はストレートに問うたほうが早い。
恐る恐るだが訪ねてみると、青年はクスッと笑った。

「随分面白いことを聞く子だね」

「左様ですな」

いや、あの、真面目なんですけど?
二人で顔を見合わせて笑わないで?

「すまない。人間と話すのは久しぶりなもんでね」

私の顔色を見てまずいと思ったのか、青年は苦笑気味に謝ってきた。
いや、まぁ別にいいんですけどね?

「こちらはこの神社の守り神、御琴様で在られる。私は使いの小蒔と申す」

「あ、これはご丁寧にどうも…」

小さな子供はペコリとお辞儀をしながら自己紹介と青年の紹介をした。
しっかりした子だなぁ…顔見えないけど。
…って、んんん?守り神?

「すいません。今、守り神と言いましか?」

「左様ですが?」

守り神?守り神って土地とか家とか守ってくれる神様?
え?まず神様?

「…やばい、アニメの見過ぎかな」

「失礼な!そのような空想話と御琴様は同じではありません!」

「わわ、ごめんなさい!」

怒られた!使いの子供に怒られた!
でも、そんなアニメみたいな話なわけ…

「本当なの?」

「先ほどから申しておりますでしょう!」

うーむ、にわかに信じ難い。
まず、そんな話しが現実世界にあって良いのだろうか?
いいや、よくない。

「それよりも、君は?」

御琴様、と呼ばれた青年の目はまっすぐ私を捉えた。
澄んだ藍色の瞳。

「私は、神枝真尋…です」


それが私と神様の出会い。
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