極上の他人


やっぱり、私は輝さんにとっては単なる『お見合い相手』。

それも、話を進める気持ちにもならない『心配な』女の子に違いない。

女ではなく女の子なんだ。

こうして私がお店に通っていることを笑って受け入れて、一人暮らしの私においしいご飯を用意してくれる。

他人にそんな優しさを見せるなんて、本当にいい人だ。

いい人だということに甘えて、私も図々しかったな。

亜実さんに頼まれたと言っていたし。

放っておけない女の子。

私はそれだけの存在なんだなと再確認して、今日会社で感じた以上に落ち込んだ。

さすがに鈍感すぎたなと、女の子たちと楽しげに話す輝さんを見ながら、落ち込みの理由に思い至る。

思い至ったと同時に、気づかなければ良かったな、と思う自分もいて、心もとない感覚に覆われる。

人とは違う人生を歩んできた私には、それが原因なのか長続きする恋愛ができなかった。

何度目かの恋愛を終わらせた後、この先、恋をすることなんてないだろうと思っていたのに、既に恋におちていた。

輝さんに、胃袋どころか私の心全部をぎゅっと掴まれていた。

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