極上の他人
誰に遠慮することもなく輝さんを独占し、思う存分甘えたいと思う反面、もう少し仕事に集中して、自分に自信をつけてからでないとだめだとも思う。
じいちゃんとばあちゃん、そして誠吾兄ちゃんに守られながら大人になり、そして今では輝さんが私を愛し、大切にしてくれる。
両親に捨てられたとはいっても、結局は誰かの保護の元でぬくぬくと生きていると気づいたのも、輝さんから愛情を注がれ、気持ちを張りつめながら生きる自分を解放させたからだ。
それまで見えなかったものが見え、感じることができなかったものを感じられるようになったから。
自分はなんてかわいそうな子だと思い、母に与えられた耳の傷跡を苦しみの象徴として自己憐憫に浸っていた。
だけど、自分はそれほど運の悪い人間ではないと、輝さんに出会い愛されることによって思えるようになった。
輝さんが教えてくれたように、自分で幸せを掴めばいい、そして、自分で愛する人との家族を作ればいい。
自分の気持ちひとつでそれができる私は、決して不幸ではないのだから。