極上の他人
俺から見ても男前だなと思うその顔はいたく整っていて、普段見せない真剣な表情だ。
一体どうしたんだ?
展示場だの池だの、史郁の努力?
まったく訳が分からない。
「仕事仕事って言って、史郁ちゃんがひたすら働いていたのも、明日この展示場に来いって言ってるのも、全て輝さんが好きだからですよ」
「だから、意味がわかんないって」
「明日、行ってみればわかります。史郁ちゃんは、輝さんと並んで歩けるように、必死で仕事を続けてきたんです。その結果が、これですよ」
相変わらず真面目な声と表情で俺に何かを伝えようとする千早は、カウンターの向こう側に回る。
そして、カウンターの端に置かれていたタブレットを操作し、俺に手渡してくれた。