極上の他人
俺と会える時間が減っても、抱き合える時間を削ってでもそうする彼女の気持ちがわかるだけに、俺は見守るしかできないけれど。
「そうか、史郁……やったな」
ぐっと熱くなる目の奥をこらえながら、タブレットに映し出された史郁の写真に見入る。
少し緊張気味の顔。
それでもかわいいと思えるのは惚れた欲目だろうか。
「史郁ちゃんは、何かを成し遂げてから、展示場に輝さんを呼び出すって決めていたんですよ」
千早の言葉に、俺は再び戸惑った。
「展示場、展示場って、一体何があるんだ?」